逆流性食道炎

Gastroesophageal Reflux Disease

逆流性食道炎(GERD)とは

逆流性食道炎は、胃酸などの胃内容物が食道へ逆流することで、食道粘膜に炎症が生じる疾患です。正式には「胃食道逆流症(GERD:Gastroesophageal Reflux Disease)」と呼ばれ、日本でも食生活の欧米化や高齢化の影響で年々増加傾向にあります。当院では、内視鏡専門医が、症状が似通う他の疾患との鑑別も含めて、丁寧で的確な診断・治療を提供しています。

逆流性食道炎の主な原因

  • 食生活の乱れ30
  • 肥満・腹圧の上昇25
  • 食道裂孔ヘルニア15
  • ストレス・生活リズムの乱れ15
  • 薬剤の影響10
  • その他5

逆流性食道炎は、食生活の乱れや肥満による腹圧の上昇、食道裂孔ヘルニアなど複数の要因が関与して発症します。中でも食生活や生活習慣の影響が大きく、ストレスや薬剤による影響も少なくありません。複数の要因が重なることで症状が悪化することがあります。

年代・男女別 逆流性食道炎の発症傾向

  • 20代
    53
  • 30代
    96
  • 40代
    1510
  • 50代
    2217
  • 60代
    3024
  • 70代
    2823
  • 男性
  • 女性

逆流性食道炎は中高年での発症率が高く、特に60代をピークに多く見られます。若年層にも一定数みられますが、加齢や生活習慣の影響が蓄積することで発症しやすくなります。男女差は年代によって異なりますが、男性にやや多い傾向があります。

逆流性食道炎の主な症状

代表的な症状は胸焼けですが、それ以外にもさまざまなサインが現れることがあります。初期症状に気づかないまま進行することもあるため、注意が必要です。

  • みぞおち付近の焼けるような感じ(胸焼け)
  • 酸っぱい液体が喉まで上がる(呑酸)
  • のどの違和感や声がれ、慢性的な咳
  • 背中の痛みや食後の膨満感、食欲不振
  • 夜間の咳や咽頭違和感により眠りが浅くなる

逆流性食道炎を放置するリスクと合併症

軽症でも放置すると、炎症が進行して食道にさまざまな合併症を引き起こす可能性があります。早期の対処が重要です。

  • 食道潰瘍・出血(重度の炎症による損傷)
  • 食道狭窄(炎症後の瘢痕により食べ物がつかえる)
  • バレット食道(がん化のリスクがある前がん病変)
  • 食道腺がん(バレット食道からの進行)
  • 慢性的な咳や喘息様症状

逆流性食道炎の検査・診断

逆流性食道炎の診断には、内視鏡検査(胃カメラ)が診断において欠かせない検査です。当院では内視鏡専門医が、上部消化管内視鏡を用いて食道粘膜の状態を直接観察し、逆流による炎症や潰瘍の有無、バレット食道などの合併症も含めて詳細に評価します。検査は経鼻内視鏡鎮静剤の使用により、できる限り苦痛の少ない方法で行っております。

上部内視鏡検査(胃カメラ)

食道や胃の粘膜を直接観察し、逆流性食道炎の確定診断を行います。

問診および症状スコアの評価

生活習慣や症状の経過を丁寧にお伺いし、診断の参考とします。

逆流性食道炎の治療と改善

生活習慣の改善

  • 脂っこいものや刺激物(香辛料、アルコールなど)を控える
  • 食後2〜3時間は横にならないようにする
  • 就寝時は上半身を少し高くする工夫
  • 適正体重の維持(肥満はリスク因子)
  • ゆっくりよく噛んで食べる習慣を身につける

薬物療法

症状や内視鏡所見に応じて、胃酸の分泌を抑える薬(PPI、または新しいタイプの制酸剤)や、消化管の運動を促進する薬などが処方されます。特に近年では、より持続的かつ強力に胃酸を抑える新規薬剤も登場しており、患者さまの症状や生活スタイルに合わせた治療が可能となっています。

逆流性食道炎の再発予防のポイント

逆流性食道炎は再発しやすい疾患です。以下のような生活習慣を意識することで、再発のリスクを大幅に下げることができます。

  • 腹八分目を意識した食事量の調整
  • カフェイン・チョコレート・柑橘類の摂取は控えめに
  • 夕食は就寝の2〜3時間前までに済ませる
  • ストレスの軽減と睡眠環境の改善
  • 禁煙と適度な運動習慣

逆流性食道炎に関するよくあるご質問

逆流性食道炎は自然に治ることはありますか?

軽症の逆流性食道炎では一時的に症状が軽くなることもありますが、自然に完治することはまれです。生活習慣の改善や薬物療法を行うことで再発を防ぎ、長期的に症状をコントロールすることが大切です。

逆流性食道炎は薬をやめると再発しますか?

逆流性食道炎は再発しやすい病気です。薬を中止すると症状が戻ることがあり、医師の指導のもとで徐々に減量・中止することが推奨されます。再発を防ぐためには、生活習慣の見直しと定期的な受診が重要です。

逆流性食道炎の主な原因は何ですか?

原因としては、食道下部の筋肉(下部食道括約筋)のゆるみや、食道裂孔ヘルニア、肥満、加齢、食生活の乱れ、飲酒や喫煙などが挙げられます。これらが胃酸の逆流を引き起こし、食道の炎症につながります。

逆流性食道炎の症状にはどんなものがありますか?

代表的な症状は胸やけや酸っぱい液が上がってくる「呑酸(どんさん)」です。その他、のどの違和感、咳、声のかすれ、胸の痛み、食べ物がつかえる感じなど、多様な症状が出ることがあります。

逆流性食道炎はどのように検査しますか?

確定診断には胃カメラ(内視鏡検査)が有効です。当院では経鼻内視鏡や鎮静剤を用いることで、できる限り苦痛を抑えた検査を提供しています。症状の程度を正しく評価し、適切な治療方針を決定するために検査は重要です。