大腸憩室症

Colonic Diverticulosis

大腸憩室症とは

大腸憩室症とは、大腸の壁に袋状のくぼみ(憩室)ができる疾患です。多くは無症状ですが、憩室に炎症が起こると憩室炎となり、腹痛や発熱などの症状が現れます。加齢とともに頻度が増え、高齢者に多くみられる傾向があります。

憩室の好発部位

  • S状結腸60
  • 上行結腸20
  • 横行結腸10
  • その他10

憩室はお腹の中のS状結腸にできやすく、上行結腸や横行結腸にも見られることがあります。憩室自体は無症状の場合も多いですが、腹痛や便の異常、出血などの症状が出た場合は早めの受診が大切です。

年代別の憩室症の発症傾向

  • 40代以下
    10
  • 50代
    20
  • 60代
    30
  • 70代以上
    40

憩室症は加齢とともに増える傾向があります。特に60代以降で多く見られます。症状が軽くても、腹痛や便通の変化、出血などがあれば早めに医療機関で相談することが重要です。

大腸憩室症の主な症状

無症状のことが多いですが、以下のような症状が現れることがあります。

  • 左下腹部の痛み
  • 発熱
  • 下痢または便秘
  • お腹の張り
  • 血便(出血を伴う場合)

大腸憩室症の原因とリスク要因

  • 加齢による腸壁の脆弱化
  • 食物繊維不足
  • 便秘の習慣
  • 肥満や運動不足
  • 腸管内圧の上昇

大腸憩室症の検査・診断方法

大腸憩室症の診断には、内視鏡検査や画像検査が有効です。憩室の有無や炎症の程度を把握し、合併症の有無を確認することが診断と治療方針の決定に役立ちます。

下部内視鏡検査(大腸カメラ)

大腸内を直接観察し、憩室の有無や分布、粘膜の状態を確認します。出血源の特定にも有用です。

血液検査

白血球数やCRPなどの炎症マーカーを確認し、全身状態や炎症の程度を把握します。

大腸憩室症の治療法

憩室炎の有無によって治療内容が異なります。

  • 無症状の場合は経過観察
  • 軽症の憩室炎:食事制限・抗生剤投与
  • 重症例:入院治療や点滴、まれに手術
  • 再発予防としての食事・生活習慣の改善

大腸憩室症の予防と再発防止

  • 食物繊維を多く含む食事を心がける
  • こまめな水分摂取
  • 適度な運動を行う
  • 便秘を予防・改善する
  • 定期的な内視鏡検査で早期発見

大腸憩室症に関するよくあるご質問

大腸憩室があっても治療は必要ですか?

大腸憩室があっても無症状であれば治療は基本的に不要です。しかし、憩室炎や出血のリスクがあるため、定期的な経過観察や内視鏡検査によるチェックが推奨されます。

大腸憩室の症状にはどんなものがありますか?

多くの場合は自覚症状がありませんが、憩室炎になると腹痛や発熱、便通異常、血便などが現れることがあります。症状が出た場合は速やかに医療機関を受診しましょう。

大腸憩室の再発を防ぐにはどうすればよいですか?

便通のコントロール、食物繊維を多く含む食事、水分補給が有効です。便秘や過度な腹圧を避けることも再発予防につながります。生活習慣の改善が大切です。

大腸憩室はどのように診断しますか?

大腸内視鏡検査で憩室の有無や状態を直接確認できます。必要に応じてCT検査を行うことで、炎症や合併症の有無も詳しく評価できます。

大腸憩室がある場合、どのような治療が行われますか?

無症状の場合は経過観察が中心です。憩室炎や出血などの合併症がある場合は、内服薬や点滴、重症例では入院治療や手術が検討されます。早期に症状を把握するために定期的な内視鏡検査が重要です。